2013年の雨季の状況についてマリの現地スタッフから久々の報告がありました。
雨季は集中的な降雨があり、バマコ市内の連日の停電で連絡が不可能だった為です。
カラの活動地域ではアチラコチラの村の識字教室や、村民の住宅が崩壊してしまったということです。
住宅はすべて土レンガの建設で鉄筋が入っていませんから、強い風と雨で崩壊してしまうのです。
昨年一昨年、そして今年もカラのコニナ村の宿舎の一部が崩壊しました。
子供5人をかかえるスマイラ家族は、一昨年の豪雨でコニナ村宿舎に住むことが出来なくなり、カラも資金不足で修理できず、残った一部の部屋にスマイラが住み、子供たちと奥さんはクリコロ町の親戚の家へ引っ越しました。
ケイタとアワ夫婦の住むモバ村の宿舎ではトイレが壊れただけでしたが、ケイタは「強い風を非常に怖がり、コーランを唱え一晩中眠ることが出来なかった」と、アワが笑っていました。ケイタは非常に慎重(怖がり)で珍しい食べ物も口にしません。今年の雨季の総降雨量は、400mm前後と、そう多くはないのでが、このように8/14の一晩で145mmも集中的に降ったり、大きな被害が出たということでした。
カラが過去に建設した識字教室は、壁面に針金を張り巡らせてありませんので、北東の壁面やトタンの屋根が飛んでしまいました。日本でも大風による多くの被害が出ましたが、日本のように直ぐに補修できない経済的状況でもあり、雨上がりの寒さで老人や子供たちが病気にならないことを祈っています。
今年はバマコ周辺で1000棟の家屋の崩壊と40人の命が失われています。
毎年降雨量が心配されていますが、多くても少なくても問題は発生し、作物も多くの被害を受けているようです。
今年もこのような天候だったために、食料不足をきたし、青年の出稼ぎも多くなるでしょう。
雨季の間は村間の道路が決壊してしまい行き来が出来なくなり、セイドウはバマコ事務所から村へ行くのにも大変です。非常に遠回りをして、いつもの3倍時間がかかるということです。建物は通常トイレは外にあり屋根が付いていないため、トイレに行くのも難しいです。
今進行中のJICA支援事業の識字教師の育成研修会、特にフランス語コースは、農繁期(7月から9月)には基本的に休みですが、6月終了時に学習内容が小学校4年生まで進み、だんだん難しくなってきたので、研修生の希望もあり復習の意味で7月に特別研修を行ないました。
公用語のフランス語を読めて書けることは、職業に就く時にとても有利です。研修生は、熱心で研修会への出席を大事にしていますが、出稼ぎに行かざるを得ない人もいて、出席率は70〜80%です。
しかし3ケ月ごとの試験の結果を見ますと、成績に地域差がはっきり出ています。一番成績の優秀な地域はバブグ村の研修会です。成績が芳しくないのは、当然中央からはるか遠く離れたヌムブグー村の研修会です。
これは未だ小学校も無く、識字教室だけの地域ですから仕方がありません。
フランス語のコース研修生であるにも関わらず、バンバラ語のコースにも自主的に出席している女性もいます。勉強したいと願っている人が多いのに、それを満たすような環境が整っていないのは不幸な事です。
いわゆる、内に秘めた才能をもっともっと引き出して活用するよう仕向けることが、地域開発への早道かも知れません。しかし、問題もあります。出稼ぎ者が多く欠席者が出ることは仕方のないことですが、女性研修生が悠々と遅刻してくるのです。
スマイラは何度も注意しますが、依然として改まりません。送れて教室に入ってくるときも「スイマセン」と謝ることなどなく、とても堂々としているのです。日本人と意識が違うのでしょう。
このような態度は何年現地で働いていても、慣れることはなくストレスとして残ります。
ついで、マリ大統領選挙が8月に無事意終了したことをお伝えします。有権者数は6,829,696人、投票率は51.54%でした。
イブラヒム ブバカリ ケイタ氏が今後5年間の
マリ新大統領になり、9月4日に就任式がありました。
そして翌5日には、
オマール タタン リー氏が
首相に就任しました。国民は新政府体制が整うのを期待しているということです。

大雨で崩壊した識字教室

トウジンヒエの畑と迫り来る雷雨

モバ村への豪雨の道

雷雨とカリテの実を採る女性

トウグ村の街道が崩壊しハスが開花しました。
posted by CARAブログ at 17:58|
アフリカの地より