澄み切った夜空に冴える満月に誘われて、今夜の食事はコニナ村のカラの宿舎の庭から外に出てきました。
余りに月の美しさに見せられて「今夜は ケネマ(外で)食事をしよう」と言う私に、セイドウがテーブルと椅子を運び、アワが準備してくれたジャガイモと鶏肉を煮込んだ大きな器をスマイラが運びます。
そしてテーブルの上にはもう一つのボールがあり、それには新ササゲの焚いたものが入っていました。
これは、スマイラがご馳走してくれたもので、ササゲは味をつけずに焚くのです。新鮮なため皮が軟らかくてとても美味しいです。普段は油をかけて食べますが、今夜はトマト味のジャガイモと鶏(これは昼間その辺で遊んでいた鶏です)を炊いたソースをかけて食べます。みんなで賑やかに食卓の準備をしましたが、私と田和さん(一昨日東京のJICA地球ひろばから新事業契約のために現地入り)は手ぶらで出てきます。男性たちが持たせてくれないのです。ナント優しいのでしょう・・・ 。
平坦でない地面に村の人が作った少し脚の長さが違うテーブルを、どのようにしてガタガタしないように置くか。石を置いたり、土を盛り上げたりしてやっと均等に据えることができました。テーブルの上には私が縫った布を掛けますが、所々にシロアリが食べた穴が開いていますが、そんなこと全く気にしません。「ホイ ターラ(何の問題も無い)」と言います。
サテ、満月の下での食事です。
かすかに掠める風に乗って、シャカ(カラのアシスタントスタッフ)が奏でるバラフォンの音が聞こえてきます。
「今夜は日本では十五夜って言うのよ」と私。セイドウは「アフリカでは、カロ(月)ティレ(日)タン(10)ニ(そして)ドゥル(5)ス(夜)って言うんだ」と、日本語で言っただけなのに、チャンとバンバラ語で答えてくれました。「エー アフリカも日本も同じなんだ」とみんなでビックリです。しかし田和さんについて村入りした通訳のアフリカ人は「知らない」と言います。「バマコ モゴ(人)は、知らないよ」とスマイラ。都会っ子は知らない単語なのでした。
この夜は、アフリカの村では娘たちが外に出て唄い、手拍子をとって踊るのだそうです。「日本ではお団子を飾って、ススキを活けてお月様に感謝するのよ」と説明したら、「ア カイン(良いね)」とセイドウ。
しかしこの満月の下のディナーは、足元を蚊に刺され、痒くてかゆくて堪らなく、早々に庭の中に戻ってきました。
宿舎の庭には10年前に植えたニームの木が数本ありますが、その葉の間からもお月様がチラチラ見えて、これも何とも言えない風情でした。今度は寝転がって月をみて、賑やかに話しをして時を過ごしました。
そこで私は恥ずかしながら一句。
「バラホンの 音に笑顔の 満月や」
しつこくも、もう一句
「秋の朝 肩に支援を アフリカヘ」(成田へ向かう日の早朝です)。
この頃俳句に凝っています。お読みになった方、ご遠慮なく辛らつなご批評、ご指導をください。
(こんなつまらない、ダサイ句は載せるな!!と聞こえるような気もします)
村上 一枝 10月 満月の夜に
posted by CARAブログ at 20:48|
代表村上より